高齢者のための高たんぱくパンの開発②

前回の続き。いよいよミーティング。

出席者は、ある特養施設の園長、管理栄養士、言語聴覚士、当方含めた6人。

議題は高齢者のフレイル解消のための健康パンの開発について。

現場でのニーズ、開発するためのパンに栄養素など、管理栄養士の方を中心に意見を発表していただいた。

まず、重要なポイントとして、対象となる高齢者はひとくくりにできないということ。咀嚼・嚥下もままならない、食事はできるが小食で栄養不足、過食で栄養過多、偏食が多いなど、すべての高齢者が満足できるパンの開発はむずかしい。結局、比較的に嚥下・咀嚼は問題なく栄養が不足しがちの高齢者、「お昼は面倒くさいのでパン一個でいいや」という高齢者をターゲットにすることで意見が一致した。

次に必要な栄養素だ。

タンパク質はすぐに決まる。アルブミン値を上げることが何より重要ということで、成分表示で高タンパク質とうたえる含有15%超を目標とした。次に上がったものが各種ミネラル、ビタミンがあがったが、具体的な数値は示されることはなかった。とにもかくにも、まずは、タンパク質できれば低カロリー。これで概ねまとまった。

次に、嚥下と咀嚼の問題。

最近、高たんぱくの食品がブームのように販売されている。高たんぱくの健康補助食品、カップラーメンまで高たんぱくをうたってきた。○○ブレッドという完全栄養食も実際試食してみたが、固くて飲み込みにくい。何より美味しくない。

実は一度プロテイン入りのロールパンを、地元のパン職人に試作してもらったことがある。しかし、加熱によるものなのか、どうしても固くなってしまい、高齢者向けには程遠い。プロテイン入りのやわらかくて、飲み込み安くしかもおいしいパンを何とか作れないものか、いろいろなところに協力を仰いだがなかなか手をあげてもらえなかった。

その経験から、ここはパンではなくケーキに近いパウンド、シフォンケーキ、蒸しパンで開発していこうということになった。見本の商品として一番に上がったのがY社製チーズ蒸しパンだ。プロテインを入れても固さを緩和できると想像ができた。

最終的に決まった点は、

  • タンパク質15%以上
  • おいしい
  • やわらかくて、飲み込みやすい

高たんぱくチーズ蒸しパンで開発をすすめることとなった。

しかし・・・・・・・・

続きは次回へ

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